2022年の『ノーベル賞:ノーベル生理学・医学賞』を受賞した『スバンテ・ペーボ博士(67歳)』が客員教授を務める、沖縄科学技術大学院大学(OIST=オイスト:Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University)に、世界中から注目が集まっています。
OISTには、ノーベル生理学・医学賞を受賞したドイツの『マックス・プランク進化人類学研究所』の『スバンテ・ペーボ博士(67歳)』が2020年5月から客員教授を務めており、2022年は4、9月に来日。次は2023年1月に来日予定です。
OISTは2022年5月には、2022年のノーベル物理学賞を他2人とともに受賞したオーストリアのウィーン大学の『アントン・ツァイリンガー博士』に名誉博士号を授与しました。
OISTにゆかりのある研究者のノーベル賞受賞が続いた形になりました。
本記事では、
・沖縄科学技術大学院大学の開学はいつ?
・世界ランキングは何位?
・教員(教職員)や学生数は何人?
・入試倍率は?
などについて書かれているので、
興味のある方は読み進めて頂けますと幸いです。
沖縄科学技術大学院大学の開学はいつ?世界ランキングは何位?教員学生数は何人?入試倍率は?教育カリキュラムの特徴は?研究室はいくつ?
2012年にリゾート地の沖縄県国頭郡恩納村にて開学
リゾート地としても知られる沖縄県恩納村にあるOISTは、沖縄振興の一環として、世界レベルの研究拠点を目指して政府主導で2012年9月に最初の学生を受け入れ、開学しました。
「ネイチャー・インデックス」2019年版ランキングでの順位は?
質の高い自然科学分野の論文の割合が多い研究機関をランキングする「ネイチャー・インデックス」2019年版では、世界9位、日本ではトップとなりました。
教育課程、教員(教職員)、学生数は?
5年一貫制の博士課程のみで、9月時点で教職員数は60カ国・地域の1080人、学生数は53カ国・地域の269人です。
教育カリキュラムの特徴は?研究分野はいくつ?研究室はいくつ?
分野横断的な教育研究を重視し、学部や学科は設けず、物理学、化学、神経科学など8つの研究分野で、89の研究ユニット(研究室)があります。
■研究分野
物理学 | 化学 | 神経科学 | 海洋科学 |
環境・生態学 | 数学・計算科学 | 分子・細胞・発生生物学 | 工学・応用科学 |
「学生は1年目に3つの研究ユニットを回り、うち1つは自分の専門以外の研究を体験しなければなりません。
異なる分野が交わる仕組みを整えています」(広報)など、独自の教育カリキュラムを特徴とすることでも知られています。
学長は?理事は?
現在の学長・理事長はドイツの『ピーター・グルース』氏です。
グルース氏は、非営利の研究組織、マックス・プランク学術振興協会のトップを13年間も務めた研究所経営のプロです。
理事には
『野依良治(ノーベル化学受賞者)』氏、
『吉野 彰(ノーベル化学賞受賞者)』氏
『ジェローム・フリードマン(ノーベル物理学賞受賞者)』氏、
『エルヴィン・ネーアー(ノーベル生理学・医学賞受賞者)』氏
『セルジュ・アロシュ(ノーベル物理学賞受賞者)』氏
ら沢山のノーベル賞受賞者が所属しています。
応募者は?合格倍率は?
開学から10年を経て入学希望者も増えており、コロナ禍直前には、1学年の定員60人に対し1500人以上の応募があったといいます。合格倍率は25倍、合格率は4%です。
予算は?
私立だが設立の経緯から、予算はほぼ日本国政府の補助金によって、負担されています。
沖縄県国頭郡恩納村の地元の皆さんとの交流は?
地域連携にも力を入れ、地元との交流も大切にしています。
現在はコロナ禍でままならなりませんが、レストランなど施設の多くを一般にも開放し、見学などができるようにしています。
子どものイベントや無料コンサートなども開催し、コロナ禍前までは年間3万人前後の訪問があったといいます。
学長『ピーター・グルース』氏、理事『野依 良治』氏、理事『吉野 彰』氏の3人の略歴について
学長の『ピーター・グルース』氏の略歴
氏名 | ピーター・グルース |
誕生日 | 1949年6月28日 |
出身 | ドイツ、アルスフェルト |
家族 | 妻、子供2人 |
学位 | 独ハイデルベルク大学で博士号(分子生物学)を取得 |
職歴 | ・マックス・プランク生物物理化学研究所長(1997年) |
・マックス・プランク学術振興協会会長(2002~2014年) | |
・OISTの学長選考で約140人の応募者から選ばれました(2017年) |
理事の『野依 良治』氏の略歴
氏名 | 野依 良治(のより りょうじ) |
誕生日 | 1938年(昭和13年)9月3日 |
職業 | 日本の化学者(有機化学) |
学位 | 工学博士(京都大学・1967年) |
受賞歴 | 2001年に「キラル触媒による不斉反応の研究」が評価されノーベル化学賞を受賞しました。 |
職歴 | ・国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センター長 |
・名古屋大学特別教授 | |
・名城大学客員教授 | |
・高砂香料工業株式会社取締役 | |
・名古屋大学大学院理学研究科研究科長、理学部長 | |
・物質科学国際研究センター長 | |
・独立行政法人理化学研究所理事長 | |
・日本学士院会員 などを歴任しました。 |
理事の『吉野 彰』氏の略歴
氏名 | 吉野 彰(よしの あきら) |
誕生日 | 1948年(昭和23年)1月30日) |
職業 | ・電気化学を専門とする日本のエンジニア |
・携帯電話やパソコンなどに用いられるリチウムイオン二次電池の発明者の一人 | |
学位 | 博士(工学)(大阪大学・2005年) |
受賞歴 | 2019年10月、ノーベル化学賞受賞が決定し、2019年12月10日に受賞しました。福井謙一(アジア初のノーベル化学賞受賞者)の孫弟子(弟子の弟子)に当たります。 |
職歴 | ・旭化成株式会社名誉フェロー |
・名城大学大学院理工学研究科教授 | |
・エイ・ティーバッテリー技術開発担当部長 | |
・旭化成イオン二次電池事業推進室長 | |
・旭化成吉野研究室・室長 | |
・リチウムイオン電池材料評価研究センター・理事長 | |
・名城大学大学院理工学研究科・教授(2020年) | |
・九州大学エネルギー基盤技術国際教育研究センター客員教授(2020年) | |
・京都大学名誉博士 | |
・岡山大学名誉博士 | |
・紫綬褒章※ | |
・文化勲章受章者 |
科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方
ノーベル賞多い沖縄科学技術大学院大学の開学いつ?ランキングは?教員学生数は?のまとめ
■リゾート地としても知られる沖縄県恩納村にあるOISTは、沖縄振興の一環として、世界レベルの研究拠点を目指して政府主導で2012年9月に最初の学生を受け入れ、開学しました。
■「ネイチャー・インデックス」2019年版では、世界9位、日本ではトップとなりました。
■5年一貫制の博士課程のみで、9月時点で教員(教職員)数は60カ国・地域の1080人、学生数は53カ国・地域の269人です。